「遍路道の峠」

 寺へのアクセスの難路である「遍路転がし」とは別に、山の多い四国を廻るためには、急な峠をいくつか越えなければならない。遍路泣かせの急峻な山坂だが、峠に着いたときの展望は格別だ。

1柏坂峠470m)

40番・観自在寺のある愛南町御荘(みしょう)から国道5610キロほど行くと、遍路道が右に入って急な上りの柏坂に入る。途中には1丁毎に野口雨情の民謡詩の石碑が立ち、暫時疲れを忘れさせる。4キロほどで峠に到着、宇和海国定公園の展望が素晴らしい。今日から11月に入り、吹き抜ける風は流石に冷たい。下れば宇和島市津島の集落に入る。


2三坂峠(みさかとうげ)710m)

44番・大宝寺の門前町は標高490mあるが、そこから国道を緩く上り8キロで、標高710mの三坂峠に到着。眼下に遠く広がる松山の市街に向けて杉林の遍路道を一気に下る。46番・浄瑠璃寺まで8キロの急な下り坂は足腰への負担がきつい。翌朝、振り返り、同じ峠を登らねばならない逆打ちはどんなに厳しいだろうかと想像する。

 他にも、玉ヶ峠450m(焼山寺の後)、焼坂峠(やきさかとうげ)228m、七子峠(ななことうげ)287m(共に37番・岩本寺への途中)、松尾峠300m(40番・観自在寺へ)、歯長峠(はながとうげ)400m(43番・明石寺へ)、鴇田峠(ひわたとうげ)790m(44番・大宝寺へ)、農祖峠(のうそとうげ)657m(45番・岩屋寺へ)などが急峻で知られる。

 

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